2016年9月活動報告②-財産分与における退職金(2)-

退職金を分与する際の金額の算定方法や支払い時期は?

将来支払われる予定の退職金が労働の対価としての性質を有しており、夫婦の協力によって形成されたと言え、かつ、退職までの年数や勤務先の性質等の具体的事情に照らして退職金が財産分与の対象であるとされた場合に関して、実際に分与される金額の算定方法や、支払時期に関しては、次のように考えられています。

金額の算定方法

まず、実際に分与される金額の計算方法については、退職金額、勤続年数、婚姻(同居)期間及び財産分与を請求する側の配偶者が退職金の形成にどれだけ寄与したか(寄与率)によって算定されることが多いようです。

退職金額については、離婚時に退職したと仮定した場合の金額とする例と、退職まで勤務した場合の金額とする例があります。

寄与率については、原則として0.5(2分の1)とされる場合が多いといえますが、具体的事情に応じて、0.5以下とされる場合もあります。

例えば、夫の勤続年数が25年、妻との婚姻(同居)期間が15年、妻の寄与率が0.5である場合には、

退職金額×(婚姻期間÷勤続年数)×0.5

という計算式によって算定されます。

支払時期

次に、支払時期についてですが、将来の退職金は、離婚時にはまだ支給されていないため、実際の支払時期をいつにするかについて、考え方が分かれています。

具体的には、離婚時を支払時期とする事例と、退職時を支払時期とする事例とがあります。

離婚時を支払時期とする場合には、退職金自体がまだ支給されていない段階で退職金相当額を原則として一括で支払わなければならないので、支払義務者が退職金相当額を支払うことのできる経済的な状況にないと、支払が難しいということになります。

一方、退職時を支払時期とする場合には、離婚から退職まで期間が空くことになることから、離婚から退職までの間に、支払義務者の勤務先が倒産したり、支払義務者が懲戒免職処分を受けたりした場合には、支払を受けられないリスクがあることになります。

個別の事情を考慮し、検討されるのが望ましいと思われますので、詳しくは、弁護士にご相談ください。


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