2016年11月活動報告-子の引き渡し-

子の親権に関する新たな判例

千葉家裁松戸支部平成28年3月29日判決について

この判決フレンドリーペアレントルール(非監護親に対する寛容性の原則)が重視された、今後の親権者決定の判決に影響を与える重要な裁判例です。

どのような事例か簡単にご説明いたします。

これは妻が未成年の子を連れて夫のもとを去り、その後、5年以上別居し、その間妻が子の監護をしていたが、離婚に伴い、子の親権をめぐり訴訟となったケースです。

妻は、自身が親権を得た場合に、夫と子の面会交流の回数を月に1回程度認めると提案したのに対し、夫は、妻と子の面会交流を年間100回程度認めると提案しました。

これらの双方の主張を受け、裁判所は、子の親権者を、約5年10か月間にわたって子の監護してきた妻ではなく、年間100日に及ぶ面会交流の計画を提案した夫と定めた上、離婚請求を認容しました。

どちらを親権者とする方が、子が両親双方からの愛情を感じながら今後の人生を歩めるか、どちらの方が真摯に子の将来を考えているか、という視点から「監護の継続性の原則」よりも「寛容性の原則」をふまえて判断した非常に評価されるべき裁判例といえます。

当事務所の離婚事例検討会では、このような最新の判例をふまえて、依頼者の方のお望みに対し、弁護士としてどのようなサポートができるか、離婚担当弁護士間で情報の共有や意見のやりとりをしています。

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※なお、上記の判決につき、平成29年1月26日に東京高等裁判所において行われた控訴審判決では、夫を親権者とした一審の千葉家裁松戸支部による判決を変更し、「長女は妻と一緒に暮らし順調に成長し、今後も同居を望んでいる。長女の利益を最優先に考慮すれば、親権者は妻と定めるのが相当だ」として、長女と同居を続ける妻を親権者と認めました。

このように、日々、最新の動向が変動いたしますので、弁護士間で情報を共有し、依頼者の皆様にとって最善策をご提案できるよう離婚事例検討会を開催しております。

子の引き渡し事件で使用される証拠(疎明資料)の例

子の引き渡し事件で、実際に使用される証拠には以下のものがあります。

 ・陳述書

 ・母子手帳

 ・通知表

保育園児・幼稚園児の場合は、園との連絡帳(コメントの往復があるもの)、園への送迎記録などが有効な証拠として使用されます。

私立幼稚園の場合には資料を出してもらいやすい傾向があるようです。なお、資料を出してもらえなくとも、調査官調査時に調査官に提出してもらう方法もあり、調査官に取得を促す方法もあります。

 ・日記、写真、メール

メールに幼稚園(保育園)への送り迎えの記録が残っていることがあります。有効な証拠となる場合がありますので、もし、お手元に記録が残っていたら、早い段階でその記録を準備し弁護士に提出されることをおすすめいたします。

 ・診断書

 ・その他

親権に関するコラムではより詳しく解説しておりますので、よろしければご覧ください。

親権についてお悩みの方は、ぜひ当事務所の弁護士にご相談ください。


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