親子交流(面会交流)とは?決め方・ルール・拒否の対処まで

(2026年7月8日公開)
親子交流(面会交流)は、離婚や別居で子どもと離れて暮らす親が、子どもと定期的・継続的に会ったり連絡を取ったりする取り組みです。
本記事では、親子交流の基本、決め方(協議・調停・審判)、具体的なルール項目、拒否や不履行が起きた場合の対処、文書化の方法、再婚時の注意点、そして2026年4月施行の法改正(共同親権導入を含む)のポイントまでを整理します。
| ※2026年4月1日施行の法改正以降、法務省等の公的機関では従来の「面会交流」を「親子交流」と呼ぶことが増えています。本記事でも「親子交流」を使用します。 |
1.親子交流(面会交流)とは?
親子交流(面会交流)とは、離婚後または別居中に、子どもと別居している親が子どもと定期的・継続的に会ったり、電話やメッセージ(SNSなど)で連絡を取りあったりなどの形で関わりを続けることです。形式は家庭ごとに違い、対面だけでなくオンラインや手紙なども含みます。
親子交流は「親の権利」だけでなく「子どもの権利」でもあります。
離婚原因により相手への不信感が強いほど、親子交流を否定的に考えがちですが、子どもの安心感や成長を考え、父母の感情的な対立とは切り離し「子どもの利益」を中心に考える必要があります。
子どもにとっては、両親が離婚しても親が二人いる事実は変わりません。
安全が確保される範囲で、どちらの親からも大切にされていると感じられることは、子どもの自己肯定感や生活の安定につながります。
| 【ポイント】2026年の民法改正で親子交流はどう変わった? 主な変更点は①共同親権の導入(父母の協議または家庭裁判所の判断で離婚後も共同親権を選択可能)、②別居中の親子交流の法的明確化(民法817条の13)、③祖父母等親族との交流規定の新設(民法766条の2)などです。 すでに取り決め済みの方も、改正内容を確認し必要に応じて見直すことをおすすめします。詳しくは弁護士にご相談ください。 |

2.親子交流は何歳まで?年齢別の考え方
親子交流(面会交流)は法的に「〇歳まで」という決まりはありませんが、子どもに対する親の義務(養育費や親権など)が子どもの成人する18歳になるまでとなることから、一般的には18歳までとされています。
18歳以降の交流は、「子ども本人の自由な意思」に委ねられます。
実務上は、子どもの意思や生活の忙しさが大きくなるほど、交流の形は変わっていきます。
目安を探すより、今の子どもに合う形を選ぶことが重要です。
年齢別にみる親子交流の頻度・内容・実施方法は?
次に、親子交流を実施する際に気をつけるべき点について年齢別に確認します。
乳幼児期は、長時間の外出や宿泊が子どもの負担になりやすいため、短時間・高頻度や同居親の近くでの交流から始めると安定しやすいです。子どもはまだ言葉で不安を説明できないこともあるため、泣き方、睡眠、食欲などの変化を観察し、無理をしない調整が必要です。
小学生頃は、学校や習い事の予定が入り、子ども自身の人間関係も広がります。交流日程を「親の都合」で固定しすぎると破綻しやすいので、月1回固定と予備日、学期ごとの再調整など、柔軟な運用を前提にした決め方が現実的です。
中高生以降は、子どもの意思がより重く扱われます。直接会う頻度が減っても、メッセージや通話で緩やかに繋がる形が適することもあります。
ここで大切なのは、親子交流を実施するのかどうかについて子どもの意見を尊重しつつ、親が環境を整える姿勢です。それが子どもの安心感につながります。
3.離婚前の別居中でも親子交流はできる?
親子交流(面会交流)は、子どもが離れて暮らす親と交流を持つためのものなので、離婚成立前でも、別居している以上は親子交流を取り決めて実施することが可能です。
これまでの民法には、父母が婚姻中に子どもと別居している場合の親子交流に関する規定はありませんでしたが、今回の改正により婚姻中別居の場合の親子交流について定められました。
ポイントは以下の通りです。
| ① 婚姻中別居の場合の親子交流については父母の協議により定める。 ② 協議が成立しない場合には、家庭裁判所の審判等により定める。 ③ ①、②に際しては、子どもの利益を最優先に考慮する。 |
別居直後は感情の波が大きく、やり取りが荒れやすい時期です。
親子交流のルールが曖昧なまま実施してしまうと、待ち合わせの度に揉める原因となります。
まずは実現可能な頻度と方法を決め、早めに安定したルールを作ることが求められます。
親子交流は必ず実施しなければならない?
相手からの身体的、精神的暴力(DVやモラハラ)、連れ去りの懸念など安全上の問題があり、子どもの安心安全を脅かす恐れがある場合は、親子交流を実施する必要はありません。
その場合は親子交流の制限・中止・条件付き実施などの対応が認められます。
まずは子どもと同居親の安全を守ることが前提になりますので、当事者だけでの交流に不安がある場合は、第三者に間に入ってもらうなどの対策を検討しましょう。
4.親子交流の決め方の流れ(協議→調停→審判)
親子交流(面会交流)の実施方法について決める際は、まず当事者の話し合い(協議)、話合いでの合意が難しい場合は家庭裁判所の調停、さらにまとまらなければ審判へ進むのが基本的な流れです。
①話し合い(協議)
話し合いによって取り決める際には、感情論よりも運用のしやすさを優先し、頻度(回数)・場所・連絡方法などを具体的に取り決めましょう。
取り決めた内容は、後のトラブルに発展しないように合意書作成することが望ましいです。
▲法務省「こどもの養育に関する合意書」のひな形
【参考】▶︎ 法務省 2026年版 子どもの養育に関する合意書作成の手引きとQ&A
合意書をご自身で作成しても構いませんが、後のトラブルに備えて、弁護士などに依頼をし、公正証書の形で書面にしておくことをおすすめします。
②家庭裁判所の調停や審判
当事者同士での合意が難しい、相手が話し合いに応じないという場合は、家庭裁判所の調停を利用します。調停は非公開で、調停委員が双方の話を聞きながら合意点を探す手続です。
調停での話し合いでもまとまらない場合は、審判に進み裁判所が事情を踏まえて結論を示します。
審判では「実行可能性」を重視して組み立てられる傾向があり、子どもの安全、生活リズム、これまでの親との関わり方、距離など具体事情が判断材料になります。
試行的面会交流の新設について
法改正(2026年4月1日施行)では、適切な親子交流の実現のために、「親子交流の試行的な実施」にかかる制度が設けられました。
「親子交流の試行的な実施」とは、調停・審判中に、家庭裁判所が当事者に試行的な親子交流の実施を促す形で行われる親子交流のことを指します。
試行的に実施された親子交流の状況や結果は、家庭裁判所調査官による調査や、当事者である父母からの報告を通じて、家庭裁判所と父母との間で共有されます。
家庭裁判所は、共有された情報を踏まえ、親子交流にかかる合意に向けて、父母と更なる調整を行います。

5.親子交流で決めておくべきルール
親子交流のルールを取り決める際には、頻度、内容、場所などについて具体的に決めておく必要があります。
この点を曖昧にしておくと、毎回の調整が必要になり、子どもにとっても不安定になります。
子どもの年齢や生活状況に配慮しながら、実行可能な交流方法を話し合いましょう。
| 【決めるべき項目】 | |
|---|---|
| 頻 度 | 月(または週)何回実施するか |
| 内 容 | 1回あたりの時間。交流開始と終了の時刻(日帰りか、宿泊か)など |
| 場 所 | 親子交流を行う場所、受け渡し場所など |
| その他 | 急病や、学校の行事などにより予定通り実施できない場合や、プレゼントなどに関する取り決め |
① 交流頻度
まず決めたいのは、「月(週)に何回実施するか」といった交流頻度です。
子どもと離れて暮らす親(別居親)との居住地の距離感や、関係性などにより異なりますが、実行可能な内容で取り決めるのがよいでしょう。
② 交流の内容
次に具体的な交流方法について取り決めます。
「1回の親子交流につき〇時間」「開始時刻は〇時で、終了は〇時」といった具合です。
受け渡しは、どこで、誰が送迎し、何時にどのように引き渡すかまで決めます。
日帰りか宿泊かも分けて考えます。
宿泊は子どもの負担や安全配慮の要素が増えるため、いきなりではなく段階的に実施する設計が現実的です。
③ 場所
面会場所は、自宅、公共施設(公園やショッピングモール、映画館など)、第三者機関の施設など選択肢があります。
交流場所は自由としているのが一般的ですが、子どもが安心でき、移動負担が過度にならない場所を基本にします。
特に父母間の対立が激しい場合は、人目のある場所や第三者機関を使うと安全性と心理的負担が下がります。
子どもの緊急時対応のために必要になる場合があるため、行き先の共有範囲なども検討します。
④ その他の取り決め
その他、親子交流が原因で揉めることのないように、さまざまな状況・項目についても事前に取り決めておくと安心です。
体調不良時や緊急時の対応について
子どもの急病などで予定どおりに親子交流を行えないときの調整方法や、連絡手段などについても事前に決めておきましょう。
遅刻時の連絡方法や、当日中止にする基準もルール化するとトラブルになりにくいです。
学校行事への参加
学校行事への参加は、子どもの喜びになる一方で、行事当日の関わりや、同居親側のストレスが問題化しやすいです。
参加の可否、参加する場合の程度等を事前に決めておくと、当日のトラブルを防げます。
学校側の写真撮影やSNS投稿のルールも伝える必要があります。
プレゼントやお小遣い
プレゼントは、誕生日やクリスマスの方針、金額目安、事前確認の必要の有無を決めておくとよいでしょう。
お小遣いについても、直接渡すのか同居親経由かを決めます。
高額になると、子どもの金銭感覚だけでなく親同士の価値観の問題に発展します。
子どもが管理できる範囲か、教育的にどう位置づけるかまで踏み込んで決めると運用が安定します。
オンライン等の交流
離れて暮らす親(別居親)との距離が遠い、対面での交流が難しい事情があるなどの場合に、繋がりを保つ方法として、電話、メール、SNSでのメッセージのやりとりや、オンラインツールを使っての面談などがあげられます。
オンライン交流は、対面の代替にも補完にもなります。
一方で、オンラインだけに固定すると関係が希薄になる子どももいるため、子どもの希望や反応を見て交流頻度や方法を検討しましょう。
⑤親子交流における禁止事項
子どもの前で相手方の悪口を言わないことは、ルールとして明記しておくべき最重要事項です。
どちらの親からも悪口を聞かされることは、子どもにとって強いストレスになるだけでなく、程度によっては心理的虐待と判断されることもあります。
また、子どもを通じて相手の生活情報を聞き出す行為も避けましょう。
子どもは板挟みになり、交流そのものが苦痛になってしまいます。
6.祖父母、親族も親子交流が可能に
これまでの民法には、父母と子どもとの面会交流に関する規定はありましたが、父母以外の親族(例えば、祖父母等)と子どもとの面会交流に関する規定はありませんでした。
裁判所においても、これまで民法上の規定がないことを理由に、父母以外の親族の交流権は原則として否定されてきました。
しかし、ケースによっては、離婚後も、父母以外の親族と子どもとの交流を継続することが子どもにとって望ましい場合もあると考えられます。
そこで、法改正(2026年4月1日施行)では、父母以外の親族の交流に関する規定が新たに設けられました。
具体的には、「子の利益のため特に必要があると認められるとき」には、家庭裁判所は父母以外の親族と子どもとの交流の実施を定めることができることになりました。
また、家庭裁判所に親子交流の調停・審判を申し立てることができるのは原則「父母」ですが、父母の一方が死亡したり行方不明になったりした場合など、ほかに適当な方法がないときは、①祖父母、②兄弟姉妹、③それ以外で過去に子どもを監護していた親族も、家庭裁判所に親子交流の調停・審判の申立てができるようになりました。
しかし、父母以外の親族と子どもの交流が認められるのは、「子の利益のため特に必要があると認められるとき」であり、ただ「会いたい」という思いだけでは認められません。
7.親子交流は拒否できる?制限・中止が検討されるケース
親子交流の実施において、DVや虐待の疑い、強い脅しや支配、連れ去りの懸念、子どもへの強い心理的圧迫があるケースなどでは親子交流を拒否することが可能です。
子どもの安全や心身の安定が最優先であり、それが損なわれるおそれがあるときは、制限や中止、第三者関与などの安全策が検討されます。
また、子どもが交流後に著しく不安定になる、睡眠障害や登校しぶりが強まるなど、影響が明確な場合も慎重な判断が必要です。
いきなり全面中止するだけでなく、短時間化、場所限定、第三者立会い、オンライン中心、連絡代行の導入など、段階的に関係を維持する方法もあります。
不安に感じる面がある場合は、弁護士など専門家に相談し対応を検討しましょう。
親子交流を拒否された場合の対処法
調停や審判で親子交流の内容が決まったにもかかわらず実施されない場合、家庭裁判所に「履行勧告」を申し立てることができます。裁判所が相手方に対して書面・電話で履行を促してくれますが、強制力はありません。
それでも応じない場合は「間接強制」の申立てが選択肢になります。
「間接強制」とは、裁判所が取り決めた親子交流を実施しない相手方に対し制裁金(数万円程度)の支払いを命じることで、自発的な履行を促す手続です。
取り決め内容が具体的であるほど実効性が高まるため、できるだけ詳細に合意しておくことが大切です。
8.共同親権を選択した場合、親子交流への影響は?
2026年4月の民法改正により、離婚後の親権について「共同親権」と「単独親権」の選択が可能になりました。
これまでは離婚後いずれか一方の単独親権しか認められていませんでしたが、改正後は父母の協議または家庭裁判所の判断で共同親権を選べるようになりました(ただしDV・虐待が疑われる場合は、共同親権は認められません)。
共同親権を選択した場合も、親子交流(面会交流)について影響はありません。
つまり「共同親権だから会える」という法的当然性はなく、どちらが監護親となるか・いつ会うかは従来どおり具体的なルール設計が求められます。
共同親権について詳しくは下記コラムにて解説しています。

9.弁護士に相談・依頼するメリット
親子交流(面会交流)の取り決めは感情的になりやすく、当事者同士では話し合いが難しいケースも多くあります。
弁護士に相談・依頼することで、以下のようなメリットが得られます。
①相手方との交渉や連絡を弁護士が代行するため、直接顔を合わせる精神的負担が軽減されます。
②感情的な対立を避け、子どもの利益を中心とした冷静な話し合いが可能になります。
③取り決め内容の具体化・合意書の作成・調停申立ての準備まで、一貫してサポートを受けられます。
④DV・モラハラがある場合は、安全を確保しながら手続を進めるための方策を講じてもらえます。
話し合いがまとまらない、相手が応じない、取り決め通りに実施されないといった場面では、早めに弁護士へご相談ください。

10.よくある質問(FAQ)
親子交流(面会交流)に関するよくある質問をまとめました。
Q. 親子交流の頻度・時間の目安はありますか?
A. 親子交流の開催頻度、時間等に法律上の決まりはありません。
子どもの年齢・生活リズム・双方の状況に合わせて決めます。
実際の目安としては、「令和6年 司法統計年報 3.家事編」によると、裁判所の取り決めによる面会交流の頻度は「月1回以上」が約4割で最多となっており、以下「月2回以上」「2、3カ月に1回以上」の順です。
Q.養育費を払ってもらえていない場合、親子交流を拒否できる?
A.養育費の未払いは、親子交流を拒否する正当な理由にはなりません。
養育費と親子交流は法的に独立した制度であり、交換条件にすることは基本的に認められていません。
「払わないから会わせない/会わせないから払わない」とは切り分けて考える必要があります。
未払いがある場合は、親子交流の場で金銭交渉をせずに、別途、養育費調停や強制執行などの法的手続について弁護士に相談し解決することをおすすめします。

Q.再婚したら、親子交流はどうなる?
A.再婚しても実親子関係は原則として続くため、再婚を理由に親子交流を打ち切ることはできません。
ただし、子どもにとっては生活環境が大きく変わるため、子どもの気持ちに配慮しながら交流条件の見直しや新しい家族との関わり方を再調整する必要が出てきます。
再婚相手が実親に会うことを嫌がったり、子どもがそれに気を使って実親との親子交流をためらったりするケースも考えられますが、再婚相手が嫌がっているからといって、親子交流を拒否する正当な理由にはなりません。
子どもの気持ちを尊重し、希望する場合は親子交流を継続する必要があります。
11.まとめ:子どもの利益を中心に現実的なルールを決めましょう
親子交流は「続けられる設計」が最重要で、子どもの安全・生活リズム・気持ちを軸に、具体的で調整可能なルールとして合意し文書化することが鍵です。
親子交流は、親の希望を通す場ではなく、子どもが安心して成長できる環境を整えるための仕組みです。
夫婦間の感情的な対立があるほど、子どもにとっての利益に立ち返る視点が重要になります。
親子交流のお悩みは、一新総合法律事務所にご相談ください
親子交流(面会交流)の取り決めは、お子さまの将来に直結する重要な問題です。
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