離婚後の医療保険

d6a01f879ee1fb6498a91e578c241965_s「今までは夫の健康保険に加入していたけど、離婚後はどうなるの?」
「子供の親権と医療保険の関係は?」

離婚後には様々な手続変更をする必要がありますが、その一つに医療保険の手続があります。
日本の医療保険は国民健康保険と被用者保険(協会けんぽ・共済保険)の2つに大別することができ、いずれかの保険に加入しています。

保険証は各世帯ごとに作成されますので、離婚後の医療保険は相手方がどの保険に加入していたかには関係なく、自分を世帯主とする健康保険に加入する必要があります。

当事務所の離婚サービスは離婚後の生活における手続サポートもさせていただいております。是非一度、当事務所にご相談ください。

ケース① 自分自身が会社員または公務員の場合

収入金額にもよりますが、基本的には、会社員・公務員の方は被用者保険に加入済みのため、離婚をした場合であっても特段の手続は必要ありません。

ケース② 自分自身が会社員または公務員の被扶養となっている場合(専業主婦等の場合)

専業主婦(夫)の場合、夫(妻)の健康保険に被扶養者として加入しています。

離婚をした場合、世帯が別になるために夫(妻)の扶養から外れることになりますので、夫(妻)の被用者保険に対して「被扶養者の資格喪失届」を提出し、扶養から外れた旨を申告をする必要があります。この手続きを経ることで「資格喪失証明書」が発行されますので、新たに加入することになる健康保険の担当部署に提出することになります。新たな健康保険としては、就職先が見つかれば、そこの被用者保険に加入することになりますし、就職先が見つからない場合には国民健康保険に加入することになります。

収入が少ない状況ですと保険料の納付が困難なケースもあると思われますが、このような場合は、役所に相談して保険料減免の手続きを行い、保険料を抑えることができます。また、収入が少ないために生活保護を受給することになった場合には、健康保険料を納める必要がなく、しかも医療費もかかりません。

ケース③ 自営業等の場合(国民健康保険の場合)

夫婦で自営業を営んでいる方、夫婦ともにアルバイト等のため被用者保険に加入していない方は、国民健康保険に加入しており、世帯全体の収入を基準にして算出される保険料を支払っています。

離婚をした場合、夫婦は別居して別生計となりますので、世帯分離の手続きを行い、それぞれが国民健康保険に加入する必要があります。保険料は、それぞれの収入に応じた金額が算出されることになります。

ケース④ 子どもを母親の保険へ移す場合

子どもの健康保険については、父母のいずれかの被扶養者として健康保険に加入することになります。ただし、親権や同居の有無は問われないものの、被扶養者扱いとなるためには「主として被保険者に生計を維持されていること」が要件とされているため、父母が離婚をした場合、子を監護しない父又は母の被扶養者となることはできないことになります。

例えば、妻と子が被扶養者として夫の被用者保険に加入していたケースで妻が子どもの親権者となり監護養育を行うことになった場合、妻が夫の被扶養者から外れるとともに(ケース②)、子どもについても、夫の被扶養者から外れた旨を夫の被用者保険に申告する必要があります。その際、夫の被用者保険に健康保険証を返納して「被扶養者資格喪失届」を提出し、発行される「資格喪失証明書」を新たに加入する健康保険に提出することになることは、ケース②で説明をしたのと同じです。

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