男性の離婚に関するQ&A

離婚する場合、女性に有利で、男性には不利になるのではないかと心配される男性の方もいますが、男性だからといって不利になるわけではありませんのでご相談下さい。

Q. 妻から離婚したいと言われていますが、離婚しなければなりませんか?

妻から一方的に離婚を求められていても直ちに応じなければならないわけではありません。
協議、調停の段階では、離婚したくなければ、強制的に離婚をすることはできません。
裁判では、民法770条1項各号の事由(①配偶者に不貞行為があったとき、②配偶者から悪意で遺棄されたとき、④配偶者が強度の精神病にかかり、回復の見込みがないとき、⑤その他、婚姻を継続し難い重大な事由がありとき)に該当しなければ離婚することはできません。

Q. 不貞行為をした有責配偶者ですが、離婚することはできますか?

有責配偶者であっても、別居期間が長期間に及んでいること、未成熟子がいないこと、相手方配偶者が離婚により、精神的・社会的に極めて過酷な状況におかれないこと等の事情から離婚が認められることもあります。

Q. 妻からモラハラであると言われていますが、慰謝料を支払わなければなりませんか?

モラハラがあったことを示す音声やメールなどの存在にもよりますが、慰謝料が発生するためには、故意又は過失により違法に妻の権利又は法律上保護される利益を害したという事実が必要であり、単なる夫婦喧嘩のような場合には慰謝料は認められない場合が多いです。

Q. 婚姻費用は夫婦が別居し、婚姻関係が破綻しても必要ですか?

婚姻費用は、夫婦が別居し、破綻していても原則として離婚するまで発生します。
ただし、婚姻費用は、家賃負担、電気ガス水道代の負担、子供の学費の負担などの個別具体的な事情を含めて金額を決めることもありますので、一律に婚姻費用算定表のとおりの金額を支払うことにならないこともあります。

Q. 子の監護者や親権者を決める際、母親が有利ですか?

子の監護者・親権者を決める場合の考慮要素としては、現在の子供の監護環境、監護の継続性、子供の意思、面会交流の許容性、監護補助者の存在、従前の主たる監護者、兄弟姉妹の不分離、監護開始に違法性など様々の事情を考慮して決めるので、単純に母性優先で決められるわけではありません。
父親であっても子供の監護者・親権者になることは可能な場合もあります。

Q. 妻に財産分与として半分を与えなければなりませんか?

婚姻前から有する財産や婚姻前や婚姻後に相続や贈与によって取得した財産は、夫婦の協力関係の下に取得した財産とは言えないので、特有財産(夫婦の一方が単独で取得した財産)として財産分与の対象とはなりません。
また、夫婦の共有財産の形成が、一方配偶者の能力や才覚によることが極めて大きい場合には、資産形成への寄与・貢献を考慮して財産分与が行われる場合もあります。

Q. 退職金についても財産分与の対象となりますか?

既に支給されている退職金は財産分与の対象となりますが、勤労年数と婚姻年数を考慮して財産分与の対象となる金額を定めるので、退職金の全部が財産分与の対象となるわけではありません。

Q. 妻に面会交流を求めても応じてくれませんが、子供に会うためにはどうすればよいですか?

妻が任意に面会交流に応じてくれない場合、面会交流の調停の申立てをすることが考えられます。
調停では家庭裁判所の調査官が父子間の面会交流を実施できるか調査するので、父子間の面会交流に向けて話し合いをすることができます。

Q. 住宅ローンや子供の大学の費用の負担を求められていますが、それ以外に も婚姻費用や養育費を支払わなければなりませんか?

婚姻費用や養育費は、双方の収入を考慮して決められますが、相手方が居住する住宅ローンの負担や子供の大学の学費の負担を考慮して金額を決めることは可能です。
また、相手方が現在無職であっても、相手方の稼働能力を考慮して婚姻費用や養育費を決める場合もあります。

Q. 合意した養育費の負担が大きいので何とかなりませんか?

離婚の際に、当事者双方で養育費の合意があったとしても、その後、会社が倒産した、再婚し扶養家族が増えた、元妻が再婚し、子供が再婚相手と養子縁組をした等の事情の変化により養育費を減額することは可能です。

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