マザコン夫とは
マザコン夫とは
マザコン(マザーコンプレックス)とは、母親に対して強い愛着・執着を持つことをいいます。妻と結婚した後も母親から精神的に独立できない男性は「マザコン夫」と呼ばれます。
マザコン夫は見方を変えれば「親孝行の夫」ともいえそうです。そのため、「親孝行をしている夫を責める私が悪いのではないか」などと考えて我慢してしまい、別居や離婚に踏み切れない方もいます。一方で、自立心に欠ける夫との結婚生活や夫の母親との人間関係に悩み、離婚したいと考える方は少なくありません。
では、「夫がマザコンだから」という理由で離婚することはできるのでしょうか。
マザコンであるというだけで離婚は難しい
離婚することに夫が合意している場合には、問題なく離婚できます。
夫が離婚に同意しない場合、裁判手続により離婚するためには、法律が定める離婚事由に該当する必要があります。離婚事由には「配偶者の不貞行為があったとき」「配偶者の生死が3年以上明らかでないとき」「婚姻を継続し難い重大な事由があるとき」などが定められています。
「婚姻を継続し難い重大な事由があるとき」とは、夫婦としての信頼、絆が完全に切れ、回復の見込みのない状態をいいます。具体的には別居が長期間に及んでいる場合や、夫から暴行・虐待受けている場合など、夫婦関係が破たんしている場合をいい、「夫がマザコンである」というだけで直ちに「婚姻関係を継続し難い重大な事由がある」とは認められません。
まずはご相談ください
このように、マザコン夫ということだけを理由に離婚することは簡単ではありません。客観的にも夫婦としての信頼・絆が完全に切れるような事情があり、またそのことで客観的にも夫婦としての信頼・絆が回復の見込みがない程度に達していることが必要になってくるのです。
ただし、裁判では簡単に「婚姻を継続し難い重大な事由がある」とは言い切れない場合でも、夫との交渉により協議離婚に持ち込める可能性はありますし、他の離婚事由があればそれを主張することも考えられます。
マザコン夫に悩まされている方や、マザコン夫と離婚したいと考えている方は、一度弁護士とご相談されることをおすすめいたします。