夫婦円満調停(弁護士:山田 真也 )

この記事を執筆した弁護士

弁護士 山田 真也

山田 真也
(やまだ しんや)

一新総合法律事務所 弁護士

出身地:新潟県新潟市 
出身大学:一橋大学法科大学院修了
国立大学法人において倫理審査委員会委員(2021年~)を務める。
主な取扱分野は、離婚、相続、金銭問題等。そのほか民事、刑事問わずあらゆる分野に精通し、個人のお客様、法人のお客様を問わず、質の高い法的サービスを提供するように心掛けています。

夫婦円満調停とは?

「夫婦円満調停」をご存じでしょうか?

「夫婦円満調停」とは、家庭裁判所で用意されている調停手続の中の一つで、夫婦関係が円満でなくなったご夫婦の一方が、円満な夫婦関係の回復を求めて、ご夫婦のもう一方に対して申し立てる調停のことです。

円満調停では、調停委員がご夫婦双方から事情を聞き、夫婦関係が円満でなくなった原因はどこにあるのか、その原因を双方がどのように努力して正せば夫婦関係が改善していくか等、調停委員から解決案の提示を受けたり、解決のために必要な助言を得たりする形で進められます。

夫婦円満調停の結果、夫婦関係は円満になった?

では、実際、夫婦円満調停を利用して、夫婦関係が円満に回復したケースはどのくらいあると思いますか?

裁判所が公表する司法統計によれば、令和2年度、全国の家庭裁判所に申し立てられた夫婦円満調停に関する結果は次のとおりとなっています。

「婚姻継続(別居)」を円満に夫婦関係が回復したケースにカウントして良いか難しいところですが、ひとまずここでは「お互いが納得して別居による婚姻継続を選択した」という意味で、円満に夫婦関係が回復したケースに含めてカウントしたいと思います。

そうすると、申立総数2202件のうち、420件(割合に直すと、申立総数のうち約20%)が夫婦円満調停の利用により円満に夫婦関係が回復した結果となっています。

この結果をみて、「意外と夫婦関係が回復している件数が多い」と感じますでしょうか?

それとも、「少ない」と感じますでしょうか?

注意点

もっとも、夫婦円満調停の中で、最終的に「離婚」に至っているケースもあります。

夫婦円満調停を申し立てた結果、「離婚」という結論に至ってしまうこともありますので、利用に際しては慎重に検討すべき面もあります。(まずは弁護士含む第三者に相談されることをおすすめします。)

終わりに

夫婦円満調停の結果をみても、一度壊れてしまった夫婦関係を回復させることは簡単でないことが分かります。

夫婦関係が壊れてしまう前に、日頃から、夫婦間で「対話」をする姿勢が大切なように思います。

<初出:顧問先向け情報紙「コモンズ通心」2022年7月5日号(vol.270)>

※掲載時の法令に基づいており、現在の法律やその後の裁判例などで解釈が異なる可能性があります。


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