裁判離婚
裁判離婚とは
裁判離婚とは、協議離婚や調停離婚で話し合いがまとまらなかった場合に、家庭裁判所に離婚訴訟を提起して、離婚することです。
協議離婚、調停離婚との大きな違いは、当事者間に離婚の合意が無くても、法律で定められた離婚原因が認められれば、強制的に離婚することができる点です。
法律で定められた離婚原因には次のものがあります。
離婚原因1 「不貞行為」
当事者の自由な意思に基づいて、配偶者以外の者と性交渉を行うことです。男女の肉体関係を伴った、いわゆる浮気や不倫の行為で、一時的なものか継続しているか、愛情の有無は関係ありません。
離婚原因2 「悪意の遺棄」
正当な理由なく、夫婦間の同居・協力・扶助(ふじょ)義務を果たさないことです。
ギャンブル中毒になり働かない、生活費を渡さない、勝手に家を出てしまったなどにより、故意に夫婦間の義務を果たさない行為のことです。
離婚原因3 「3年以上の生死不明」
3年以上にわたり、配偶者からの連絡が途絶えて、生死も不明な場合です。
7年以上生存不明が継続する場合には、家庭裁判所に失踪宣告を申し立てることが出来ます。失踪宣告が確定すると配偶者は死亡したものとみなされ、婚姻関係は終了します。
離婚原因4 「回復の見込みがない強度の精神病」
配偶者の一方が、重度の、統合失調症、アルツハイマー症、躁鬱病などの精神病になり回復の見込みがない場合です。
配偶者が単に精神病になったという理由だけでは認められず、医師の診断やそれまでの介護や看護の状況、離婚後の配偶者の治療や生活などを総合考慮して裁判官が離婚原因になるか否かを判断することになります。
離婚原因5 「その他婚姻を継続しがたい重大な事由」
夫婦関係が破綻し、回復できない場合をいいます。
性格の不一致、配偶者の親族とのトラブル、宗教活動にのめり込む、暴力(DV)、ギャンブルや浪費癖、多額の借金、勤労意欲の欠如により生活費を家庭に入れない、性交渉の拒否・性交不能、犯罪による長期懲役など一切の事由を考慮して、婚姻関係が破綻し、回復の見込みがないと裁判官が判断した場合、離婚が認められます。
裁判離婚の特徴
裁判離婚の特徴は、裁判官による最終的な判断が下されるため、協議離婚や調停離婚よりも時間が多くかかる点にあります。通常、判決までに1年から1年半の時間がかかることが多いので、長期戦による当事者の精神的な負担はとても大きいものになります。
また、裁判離婚の場合、訴状、答弁書、準備書面などの書面での主張、その主張を裏付ける証拠の提出が重要となります。
離婚の理由は、それぞれの夫婦のよって様々ですので、当事者の生活環境を客観的に把握し、有利な離婚条件が引き出せるように主張立証していくことが必要です。
裁判離婚は弁護士にお任せください
このように裁判離婚は、精神的負担が大きく、専門的知識に基づいて訴訟が進められていくため、離婚裁判の当事者は、ほとんど代理人(弁護士)を付けて訴訟に臨みます。
裁判離婚は、協議離婚、調停離婚が成立しなかった場合に行われるので、依頼者にとって最適な判決を得るためにも専門家である弁護士に頼むことをお勧めします。
当事務所には離婚問題に精通した弁護士が複数在籍しており、納得のいく離婚を知識面でサポートすることはもちろんのこと、長丁場を戦い抜くあなたの精神的な負担を軽減してくれることでしょう。
是非一度、当事務所にお気軽にご相談ください。