共同親権のメリット・デメリットとは?注意点をわかりやすく解説

(2026年7月22日公開)
これまでの日本では、離婚後は父母のどちらか一方だけが親権を持つ「単独親権」のみが認められていましたが、2026年4月に選択的共同親権制度が施行され、離婚後も父母双方が親権を持ち続ける「共同親権」も選択できるようになりました。
これまでの単独親権と比べて、親の関わり方や意思決定の進め方が大きく変わります。
このコラムでは、共同親権の基本的な定義から、単独親権との違い、何ができて何ができないのか、メリット・デメリット、養育費・面会交流・再婚への影響、よくある疑問(Q&A)まで、離婚問題に注力する弁護士の視点から整理して解説します。
1. 共同親権とは?
共同親権とは、婚姻中と同様に、離婚後も父親と母親の両方が親権を持ち続ける制度です。
離婚すると、夫婦関係は終わります。しかし、子どもの親であることは変わりません。
共同親権は「元夫婦としての関係」ではなく、「子どもの父・母としての関係」を離婚後も継続するという考え方に基づいています。
つまり、離れて暮らす親(別居親)も、子どもの教育・医療・生活などの重要な決定に関わり続けることができます。
子どもにとっては、離婚後も父と母、両方の親から守られるという意味を持つ制度です。
また、共同親権は「自動的に適用される制度」ではなく、当事者の協議や裁判所の判断で選ばれる仕組みです。
DV・虐待の有無、対立の程度、子の生活の安定など、家庭の状況によって共同親権を適用すべきかどうかが異なってきます。
さらに、共同親権を選択したからといって、子どもが必ず両親と同じ時間を過ごすわけではありません。
誰と同居するか、面会交流をどうするか、費用負担をどうするかは別途取り決めが必要で、制度はあくまで意思決定と責任の枠組みを定めるものです。
親権の中身(身上監護権・財産管理権)
親権とは、子どもの意向を尊重し、「子の利益のために行使すべき義務」(民法820条)を含みます。
親の都合や勝ち負けではなく、子どもの安全・生活の安定・成長に必要な環境が軸になります。
親権は大きく分けると、子どもの生活や教育に関する「身上監護権」と、子どもの財産や契約に関する「財産管理権」の2つに分けられます。
離婚後の共同親権では、この両方について父母が責任主体になり得ます。
身上監護権は、子どもの日常の世話・しつけ・教育・医療に関する決定など、子どもの身体や生活に関わる権利・義務です。
居住して意見、職業許可権、身分上の行為の代理権が含まれます。
財産管理権は、子ども名義の財産を管理したり、子どもが関係する契約や申請に法定代理人として関与したりする部分です。
預金手続き・保険や給付金の申請・相続や示談などは親権者としての関与が求められやすく、共同親権では合意の要否が実務上のポイントになります。
親権について、単独親権と共同親権の違い、親権を決定する流れについては下記コラムにて詳しく解説しています。ご参照ください。

2. 共同親権はいつから?法改正のポイント
共同親権(選択的共同親権)は、民法改正により2026年4月1日に施行されました。
これにより、離婚後の親権は単独親権だけでなく共同親権も選べる制度になっています。
また、改正民法では同時に「法定養育費制度」も新設されました。
離婚時に養育費の取り決めがなくても一定額を請求できる制度で、共同親権の有無にかかわらず活用できます。
共同親権が導入されたことで、離婚時には親権の形だけでなく、同居親をどうするか・重要事項の協議方法・親子交流(面会交流)・養育費などについて離婚時にまとめて設計する重要性が増しています。
今回の法改正のポイントについては知りたい方は、以下の関連記事もあわせてご参照ください。

3. なぜ共同親権が導入された?
共同親権が議論されてきた背景には、離婚後に別居親の関与が薄れ、養育費が払われない・面会交流が続かないといった現実があります。
親権を失うことが「親としての役割の終了」と誤解されやすい社会の空気も問題の土台になってきました。
また、親権を得るために先に子どもと別居する「連れ去り」が紛争化しやすい点もあげられます。
海外諸国では共同親権を採用する国が多い中で、日本の制度差が国際離婚や越境事案で摩擦を生むという指摘もありました。
ただし、DV・虐待への安全配慮や、合意形成を支える運用整備が同時に求められます。
4. 単独親権と共同親権の違い
単独親権では、離婚後の親権者は父母どちらか一方のみとなり、子どもに関する重要な判断を原則として単独で行えます。
迅速に決められる反面、別居親は「親として関わりたい」気持ちがあっても制度上は関与が限定されやすい面があります。
共同親権では、父母がどちらも親権者になるため、重要事項は協議で決めるのが原則になります。
決定の質が上がる可能性がある一方、関係が悪いと意思決定が止まり、子どもの機会損失につながるリスクも生まれます。
法律上、共同親権と単独親権のどちらが「原則」とも「例外」とも定められていません。
どちらの形をとるかは、子どもの利益を最優先に判断することが重要です。
| 共同親権 | 単独親権 | |
| 親権者 | 父母双方が親権を持つ | 父母の一方のみが親権を持つ |
| 重要事項の決定 | 原則として父母が協議して決定 | 親権者が単独で決定 |
| 日常的な行為 | 同居親が単独で決定できる | 親権者が単独で決定 |
| 選択の原則 | 子どもの利益を最優先に判断 | 子どもの利益を最優先に判断 |
5. 共同親権で何が変わる?できること・できないこと
共同親権を選択したからといって、すべてのことに対し常に「両親の同意」が必要になるわけではありません。
一方で、重要事項は協議が原則となり、合意できない場合の対応も含めて理解が必要です。
(1)共同親権で合意が必要な事項は?
共同親権では、子どもの将来や権利義務に直結する「重要事項」については父母の協議(合意)が必要になります。
典型例として以下が挙げられます。
| 【合意が必要なこと】 ・進学先・転校など、子どもの教育方針に関わる重大な決定 ・転居(居所の変更) ・手術・入院など、心身に重大な影響を与える医療行為 ・子ども名義での重要な契約や申請(パスポート取得など) |
合意が必要=合意ができないと手続きが進まない可能性があるということです。
父母間の意見対立だけでなく「無関心で返事が遅い」場合でも同じ問題が起こり得ます。
連絡手段・回答期限・緊急時の取り扱いなど、実務的な運用ルールを離婚時に決めておくことが重要です。
(2)単独で決められる日常的な行為とは?
共同親権でも、日常の監護に関する行為は子どものそばにいる親が単独で判断して進められます。
以下は逐一合意を取らなくてよい行為の例です。
| 【合意がなくてもよいこと】 ・食事・生活習慣・日々の送迎 ・学校からの一般的な連絡への対応 ・通常の体調不良での受診 ・緊急手術・事故対応など急迫の事情がある場合 |
「日常」と「重要」の線引きは、家庭や子どもの状況で変わり得ます。
持病がある子の治療方針は日常的に見えても、薬の変更や入院を伴う治療は重要事項になり得ます。
普段から医療・教育の情報共有をしておくほど、線引きの争いは起きにくくなります。

6. 共同親権のメリット
共同親権のメリットは、父母双方が「親として関与し続ける」ことを制度上の前提にできる点です。
ただし、メリットが発揮されるのは一定の協力関係が見込める場合である点も重要です。
メリット① 離婚時の親権争いを回避しやすい
単独親権では、争いになった場合には「勝った側が親権を得て、負けた側が失う」ことになるため、離婚協議が難航する引き金になることがあります。
共同親権が選択肢として存在すると、親権そのものを奪い合う必要が薄れ、離婚協議が前に進む可能性があります。
長期の紛争で子どもが疲弊する事態や、子どもに「どっちの親を選ぶのか」という心理的負担を背負わせる状況を減らすことが期待されます。
ただし、同居の決め方・重要事項の協議ルール・将来の転居や進学などの論点は残るため、争点が「親権の取り合い」から「運用設計」へ移ると考えると現実的です。
メリット② 離婚後も両親が子育てに関われる
共同親権では、別居親も親権者として重要事項の意思決定に参加しやすくなります。
学校選びや医療・将来の進路など、子どもの節目で「法律上の立場がないため関われない」という断絶を減らす効果が見込まれます。
子どもの側から見ると、離婚後も両親とのつながりが制度上維持されるため、心理的な安心につながることがあります。
同居親にとっても、重要な場面で判断や費用負担を一人で抱え込まずに済む場面が生まれ、精神的な負担が軽くなるケースもあります。
メリット③ 養育費の支払いが促進されやすい
共同親権の導入で、別居親が「親としての責任」を意識し続けやすくなり、養育費の支払いが途切れにくくなる可能性が指摘されています。
重要事項の協議に関わることで、子どもの生活費がどこに使われるか明確になり、支払う側にとっても納得感が増すケースもあり得ます。
なお、改正民法で新設された法定養育費制度により、離婚時に養育費の取り決めがなくても一定額を請求できるようになりました。
ただし不払いを減らすには、口約束ではなく調停調書や公正証書など執行力のある形にする実務的な対策とセットで考えることが重要です。
養育費について詳しく知りたい方は、以下の関連記事もあわせてご参照ください。

メリット④ 面会交流(親子交流)が実施されやすくなる
共同親権では、別居親の関与が制度上可視化され、子どもの予定や成長に関する情報共有が進めば、面会交流の合意形成がしやすくなることが期待されます。
面会交流がうまくいく鍵は、親の権利の主張よりも、子どもが安全に安心して会える設計になっているかです。
場所・頻度・送迎・連絡方法・体調不良時の扱いなどを具体化し、子どもの成長に合わせ、習い事や学校など生活リズムを考慮した設計にするとトラブルは減ります。
共同親権であっても、DVや強い恐怖がある場合は制限・調整が必要です。
面会交流(親子交流)について詳しく知りたい方は、以下の関連記事もあわせてご参照ください。

7. 共同親権のデメリット
共同親権のデメリットは、父母の合意形成が必要な場面で合意ができずに停滞するリスクと、関係性が悪くコミュニケーションがうまくとれないケースで当事者や子に負担が残り得る点です。
デメリット① 意見対立で意思決定が遅れる
共同親権では重要事項について合意が必要になるため、意見が対立すると重要な事柄に関しての決定が遅れます。
進学先の選択・入学手続き・医療・転居・契約などは期限があることが多く、遅れがそのまま子どもの不利益になり得ます。
問題は対立が激しい場合だけではありません。
「相手が忙しい」「返信しない」「判断を先延ばしにする」など消極的な不一致でも、結果として合意が成立せず進められないことがあります。
家庭裁判所の手続きで解決する道はありますが、時間と労力がかかるため、事前の運用ルール設計が重要です。
デメリット② DV・モラハラや虐待がある場合のリスク
DV・モラハラや虐待が原因で離婚する場合、共同親権は離婚後も連絡や協議を通じて支配が継続するおそれがあります。
表面的には「話し合い」でも、実際には恐怖で反論できない・条件を飲まされる・子どもを使って圧力をかけられるなど、被害が形を変えて続くことがあります。
法制度上は「共同親権が子の利益を害する場合は単独親権にすべき」という枠組みが前提になっていて、以下の事情がある場合には、裁判所の判断では必ず単独親権と定めなければならないとされています(民法819条7項)。
| 【単独親権としなければならない事由】 ① 子どもの心身に害悪を及ぼすおそれがある場合(例:過去に子どもへの虐待があった場合) ② 父母が共同で親権を行使することが困難な場合(例:配偶者に対するDVがある場合) ③ その他、共同親権にすることで子どもの利益が害される場合 |
DVには身体的暴力だけでなく、精神的・経済的・性的DVも含まれます。
DVや虐待が関わる場合には、無理に共同親権の話し合いを進める必要はありません。
一方で、被害の立証が難しい点も大きな課題です。
診断書・写真・録音・相談記録・保護命令や警察相談の履歴など、後から説明できる材料が安全確保に直結します。
懸念がある場合は当事者同士での交渉は避け、弁護士や配偶者暴力相談支援センターなど第三者を早めに活用することが重要です。
デメリット③ 子どもの負担が増える可能性
共同親権は運用がうまくいけば子どもの安心につながる一方、父母の対立が続く家庭では子どもが板挟みになり負担が増える可能性があります。
子どもは「どちらの親も好きでいてよい」と言われても、実際には空気を読んで気を遣い、感情を抑え込むことが起こり得ます。
デメリット④ 引っ越しや進学などの決定が制約されやすい
同居親が仕事や家計の事情で引っ越したい場合でも、別居親の居住地から距離が出来てしまう場合などは、合意を得られずに子どもを連れて動きにくくなる可能性があります。
進学先の選択でも、学費・通学負担・教育方針への考え方が分かれると合意形成に時間がかかります。
受験や入学手続きは期限が厳しいため、合意の遅れが子どもの選択肢を狭める形で表れます。
共同親権を選ぶなら、転居や進学が起こり得る将来を見据えて監護者指定や分掌をあらかじめ検討しておくことが重要です。
8. 親権者を決める条件とポイント
共同親権が認められるかどうかは、父母の希望よりも「子どもにとって利益になるか」が中心になります。
制度は「親の権利の拡大」ではなく「子の利益に資する場合に選ばれる運用」を目指しています。
判断で見られやすいポイントは以下です。
| ・父母が重要事項を冷静に協議できる見通しがあるか ・対立の程度が強くなく、連絡が継続できるか ・DV・モラハラ・虐待の有無(最重要の判断材料) ・子どもの生活の安定・学校や住環境の継続性 ・子どもの意思や年齢 |

9. 共同親権のデメリットを減らす方法(監護者の指定・監護の分掌)
共同親権の弱点は、重要事項で合意が必要になることで意思決定が止まりやすい点です。
これを現実的に減らす方法として、監護者の指定や監護の分掌を活用する考え方があります。
監護者の指定とは?
監護者指定とは、共同親権のもとで子どもと実際に同居して監護を担う親を明確にする取り決めです。
監護者の権限については、「単独で、子の監護及び教育、居所の指定及び変更並びに営業の許可、その許可の取消し及びその制限をすることができる」(民法824条の3)と定められています。
つまり、監護者を指定することにより、子どもと同居して監護を担う親が、居所指定や日常の監護教育を単独で進めやすくなります。
転居・進学・一定の医療判断など、タイミングが重要な事項で都度協議が難しい家庭ほど、監護者指定は「子どもの生活が止まる」リスクを下げる設計になります。
ただし、財産管理行為や身分行為の法定代理(相続手続・養子縁組の承諾など)については、監護者であっても単独で行うことはできません。
監護の分掌とは?
監護の分掌とは、「医療は一方・教育は一方」など事項ごとに役割を分ける発想です。
父母は協議により、「子の監護の分掌」を定めることができます(民法766条1項)。
分掌により権限を与えられた親は、他方の共同親権者の同意なしに、単独でその事項に関して決定、行使することができるようになります。
子どもの特性・親の得意分野・距離・連絡のしやすさを前提に、監護の分掌を決めておくことで、重要事項の決定も滞ることなく進められる可能性が高まります。
10.共同親権に関するよくある質問(FAQ)
共同親権に関するよくある質問をまとめました。
Q.離婚後、共同親権と単独親権、どちらを選ぶべき?
「どちらが正解」という一律の答えはなく、ご夫婦の状況や子どもの環境によって最善の選択は異なります。一般論としては、以下のような整理ができるでしょう。
| 【共同親権が向いているケース】 ● 離婚後も父母が子どものことについて冷静に話し合える関係にある ● 子どもが両親どちらとも良好な関係を持っており、双方の関与が子どもの利益になる ● 居住地が近く、日常的な連絡・協力が現実的に可能である 【単独親権が向いているケース】 ● DV・虐待・他方の人格を傷つける言動がある、または過去にあった(この場合、法律上も単独親権となります) ● 父母間の対立が激しく(いわゆる高葛藤事案)、子どもに関する協議を重ねること自体が子どものストレスになる ● 居住地が遠方など、共同での意思決定が現実的に困難な事情がある |
ご自身の状況に照らして判断が難しい場合は、弁護士にご相談のうえ、子どもにとって最善の選択をご検討ください。
Q.共同親権の場合、話合いで合意できない場合はどうなる?
共同親権において協議がまとまらない場合、家庭裁判所に申立てをして「その特定事項についてどちらが親権を行使するか」を決めてもらう仕組みが用意されています。
子どもの利益のために前へ進める安全弁です。
申立ては調停から始まり、まとまらなければ審判へ進む流れが想定されます。
裁判所は父母の優劣を決めるのではなく、その特定事項について子どもの利益にかなう判断をできるかを中心に見ます。
ただし手続きには時間・書類準備・出頭などの負担があるため、協議ルールや期限を定めて申立てに至る場面を減らす設計が現実的です。
Q.既に離婚している場合に共同親権へ変更できる?
すでに単独親権で離婚している場合でも、施行後は家庭裁判所の手続きにより共同親権への変更を求めることができます。
ただし、制度施行によって自動的に共同親権へ切り替わるわけではありません。
変更を求める場合は、親権者変更に関する調停などを通じて「共同親権に移行することが子どもの利益になる」と示す必要があります。
単に親が「共同にしたい」と望むだけでは足りず、現在の監護状況・協議可能性・子どもの生活の安定などが重要になります。
現実には、面会交流や情報共有の実績を積み、対立を下げる努力が変更申立ての土台になりやすいでしょう。
Q.共同親権は拒否できる?
共同親権は強制ではなく、家庭の事情に応じて単独親権を希望することも可能です。
拒否が認められやすいのは、DV・モラハラ・虐待などで共同での意思決定が子どもの利益を害するおそれがあるケース、強い対立や支配関係が継続しているケース、相手が無関心で連絡が取れないケースなどです。
相手が共同親権を求め当事者間で合意できない場合は、家庭裁判所が子の利益の観点から判断します。
感情的な応酬より、子どもの生活への具体的な影響と安全確保の必要性を整理し、記録や第三者支援も活用しながら主張を組み立てることが重要です。
Q.共同親権になると養育費はどう変わる?
共同親権になっても、養育費の支払義務は基本的に変わりません。
養育費は親としての扶養義務に基づくもので、親権者かどうかとは別に発生します。
一方で、共同親権では進学や医療など重要事項を共同で決める場面が増えるため、費用負担の納得感や合意の作り方は変わり得ます。
私立進学や高額な医療など、標準的な養育費の範囲を超えやすい支出について、誰がどこまで負担するかを離婚協議時に事前に決めておく重要性が高まります。
共同親権か単独親権かにかかわらず、養育費の取り決めについては金額・支払方法・臨時費用の分担・領収書の共有方法などを具体化しておくことがトラブル予防になります。
Q.共同親権になると面会交流(親子交流)はどう変わる?
面会交流は親権とは別に、子どもの利益の観点から取り決めます。
共同親権になったから面会交流が自動的に増える、あるいは単独親権だから面会交流ができないという単純な関係ではありません。
共同親権では別居親が意思決定に関わる前提があるため、子どもの予定や情報共有が進めば面会交流の調整がしやすくなる可能性があります。
反対に対立が強い家庭では、面会交流が「交渉材料」になり子どもが振り回されるリスクもあります。
運用で大切なのは、日時・場所・送迎・連絡方法・キャンセル基準・第三者機関の利用などを具体化し、トラブルが起きても子どもが巻き込まれない仕組みにすることです。
安全上の懸念がある場合は、段階的な実施や制限を検討する必要があります。
Q.共同親権の場合、再婚したらどうなる?
共同親権のまま再婚しても、子どもの親権者は基本的に実父母のままです。
再婚相手(継親)は、再婚しただけで自動的に親権者になるわけではありません。
注意が必要なのは、再婚相手と子どもが養子縁組をする場合です。
養子縁組が成立すると養親が親権者となり、実父母の一方が親権を失う形になることがあります。
共同親権の状態では養子縁組に同意が必要になる場面が想定され、手続き上のハードルになり得ます。
戸籍や名字・学校での手続き・緊急時対応なども含めて、親権の形と養子縁組の影響を一体で考え、必要なら家庭裁判所手続きの見通しも踏まえて計画することが重要です。
11. まとめ
共同親権は、離婚後も父母双方が親として責任を持ち続けるという方向性を制度として明確にし、親権争いの緩和・別居親の関与継続・養育費や面会交流の促進といったメリットが期待されます。
うまく機能すれば、子どもにとって「親とのつながりが途切れにくい」環境づくりにつながります。
一方で、重要事項で合意が必要になる以上、対立や無反応によって意思決定が止まるリスクは避けられません。
DV・モラハラ・虐待がある場合は安全面の懸念が特に大きく、共同親権が常に望ましいとはいえないことを押さえておく必要があります。
共同親権を選ぶかどうかは、現実の運用可能性で判断することが重要です。
子どもの生活の安定を最優先に、協議ルールの設計・監護者指定や分掌による停滞リスクの低減・面会交流と費用分担の具体化・必要に応じた家庭裁判所手続きの活用まで見通したうえで、家庭ごとに最適な形を選びましょう。
12. 親権問題のことで迷ったら、弁護士に相談を
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