《コラム》コロナウイルスの蔓延と面会交流の実施について

1 コロナ禍での面会交流 

コロナウイルス蔓延により面会交流への影響を不安に感じている方もいらっしゃると思います。

緊急事態宣言によりお子様の学校が休校のときは、面会交流の実施を当面控えるご家庭も多くありました。

緊急事態宣言が解除されて、お子様の学校なども始まりましたが、第2派の可能性など、まだまだ安心できない状況が続いています。

そこで、コロナウイルスの危険と面会交流の実施についてお話をしたいと思います。

 

2 面会交流とは?

面会交流は、子どもと離れて暮らしている親が、子どもと直接、間接の方法で交流する権利です。

これは親の権利というだけではなく、子の権利でもあります。

離れている親御さんからすれば、子に会いたいのは当然ではありますが、面会交流は一方的な行為ではなく、子との交流である以上、その実施に当たっては、当然ながら子の福祉に配慮する必要があります。

お子さんがまだ小さい場合など、多くのケースでは、親同士で事前に面会交流の具体的日時や場所等の具体的実施方法を事前に協議して決める形になるかと思いますが、離れている親御さんも一緒に暮らしている親御さんも協議に際しては、まずは子の福祉を中心に協議していくことが大切です。

 

3 コロナウイルスの危険下での面会交流の工夫について

コロナウイルスの危険が生じた現在では、面会交流の実施に当たっても、子の安全と言う観点からは柔軟な対応が求められています。

第2派の到来などウイルス感染の危険が高まった状況や、県をまたいで面会交流を実施するケースなどでは、面会交流の頻度を変えたり、面会交流の時間を短縮したりしなければならない場合もあるかと思います。

ただ、感染対策が必要なことはもちろん当然ではありますが、一方で、面会交流を実施することは子の福祉にも寄与するものであることも考慮する必要があります。

直接子供に会う面会交流を実施しない場合でも、お子様の写真を送付したり、電話で話したり、ネットを通じで面会交流を実施する等の間接的な面会交流を実施しているご家庭もあります。

感染予防の観点から制限を設けざる得ない場合にも、子の福祉の観点から出来ることを検討いただく姿勢が大切と思われます。

 

また、面会を行う方の親も、今までは、デパート、映画館、公共施設など不特定多数の人が出入りする場所で面会交流を実施していた場合でも、安全を考慮してより人通りが少ない場所に変更して面会交流を実施するなど子の安全に配慮してあげることが大切です。

相手方の不安を解消してあげるためにも、どのような対策や配慮を行うつもりであるのかを伝えておくと良いでしょう。

感染が心配で実施することが不安という場合には、相手方と実施場所を協議したり、マスクを着用や手洗いなど,子供と接する場合の要望を伝えてみるということも一つの方法です。

まずは、子どものことを第一に、親同士で冷静かつ柔軟な協議を行いましょう。

 

4 最後に

コロナウイルスの影響により、通常の面会交流を実施する場合以上に不安を感じている方や協議が上手く行かずに困っている方も多いかと思います。

面会交流の条件は各家庭によって事情が異なるので、そのご家庭の事情を踏まえた条件を個別具体的に検討することが大切です。

お子様の福祉にとって最適な面会交流の実施についてお悩みの方はお気軽にご相談下さい。

 

※掲載時の法令に基づいており、現在の法律やその後の裁判例などで解釈が異なる可能性があります。

◇コロナ禍の離婚に関連するコラムはこちら◇

「コロナとDV」

「コロナと養育費の関係性について」

この記事を執筆した弁護士

弁護士 細野 希

細野 希
(ほその のぞみ)

一新総合法律事務所 弁護士

出身地:新潟県新潟市 
出身大学:新潟大学法科大学院修了
新潟県都市計画審議会委員(2021年~)、日本弁護士連合会国選弁護本部委員(2022年~)を務めています。
主な取扱分野は、離婚と交通事故。そのほか、金銭問題、相続など幅広い分野に対応しています。数多くの企業でハラスメント研修、相続関連セミナーの外部講師を務めた実績があります。
依頼者の方の悩みを聞き、判例や実務の考え方を考慮しつつ、採り得る選択肢を示して、依頼者の悩みや不安を少しでも軽減できるように努めます。

 

お電話での相談予約は フリーダイヤル0120-15-4640 までご連絡ください。

インターネットでは 相談予約フォーム からご予約いただけます。

ぜひ一度、プロの法律家にご相談ください。

 

 

弁護士法人 一新総合法律事務所について

PAGE TOP